膳處漢ぽっちりの穀雨レシピ「ジャージャー麺」
2021-05-01
膳處漢ぽっちりの穀雨レシピ「ジャージャー麺」
北京のお母さんの味。甘辛い肉味噌に季節の野菜を加えてバランスよく。

ジャージャー麺は、漢字で書くと炸醤麺。
「炸醤」は味噌とともに炒めた肉、つまり肉味噌を意味します。
最近では街のレストランはもちろん、コンビニでも見かけるほど、日本でもポピュラーな料理になっていますね。もともとは、北京をはじめとする中国北部を起源とする料理ですが、中国各地や香港や台湾、韓国にも伝わっているようです。
今回レシピを教えていただいたのは、膳處漢ぽっちりの堀切料理長。
「北京には何度も訪れていますが、一般的によく食べられているお母さんの味。家庭によって具や味が少しずつ違うんですよ」とのこと。
まさに、日本の家庭料理と同じですね。
また、料理が各地に広まると同時に変化していくのはよくあることですが、最も違うのは麺なのだとか。
「日本では中華麺が使用されていることが多いですが、現地ではかん水を用いない手延べの平たい小麦麺が基本です」
今回は本場のジャージャー麺に近い、乾麺のうどんで作るレシピを教えていただきました。
■材料(1人分)

きゅうり ………………30g
白ねぎ …………………20g
むき枝豆 ………………20g
うどん(乾麺)…………100g
豚バラ …………………100g
玉ねぎ ……………………50g
にんにく …………………5g
生姜 ………………………5g
油 ………………小さじ1杯
豆板醤 …………小さじ1/2杯
甜面醤 ……………………50g
味噌 ………………………20g
水 ………………………150cc
たまり醤油 ………大さじ1杯
水溶き片栗粉 ……小さじ1杯
■作り方
①野菜を準備
きゅうり、白ネギを切る。今回、むき枝豆は冷凍を使用。
冷蔵庫にあるものでよく、季節によってもアレンジ可能。
きゅうり、白ネギともに、ななめに薄切りにしてから細切りにすると切りやすい。
好みにより、やや太めの千切りにしても歯ごたえがあってよい。



水にさっとさらしておくと、シャキシャキした食感が楽しめる。
肉味噌の中に加える玉ねぎ、にんにく、しょうがもそれぞれみじん切りにしておく。
②肉を切り、炒める
豚バラはできればブロックで買い求め、棒状に切ってからサイコロ状に切ると、食感とともに肉の旨みもしっかりと味わえる。

豚バラは弱火でじっくりと炒め、しっかり油を出しておく。

③麺を茹でる
乾麺の場合は、この時点で湯を沸かし茹でる準備を始めておく。
冷凍うどんでも代用可能。その場合は電子レンジで温めるだけで使える。

④肉味噌をつくる
肉に火が通ったら、生姜とにんにくを入れて炒め、
豆板醤(辛みが苦手な場合はなくても可)も加えて炒め、香りを出す。
水を入れて沸騰してきたら、味噌、甜面醤、たまり醤油と順に加える。
たまり醤油で香りと黒っぽい色がプラスされる。ない場合は入れなくても可。

玉ねぎは、歯ごたえを残すためにここで加える。好みにより初めに炒めておいてもよい。

水溶き片栗粉を加える。ダマになるのが心配な場合は一旦火を止めて、フツフツと湧いているのが収まってから入れると安心。
最後にごま油を回しかける。辛いのが好きな方は辣油でもよい。

⑤麺を水でしめる
茹であがった麺をザルにあけ、水でしめる。
この時、茹でたお湯をボウルなどに取っておくと、麺をくぐらせてもう一度軽く温めることができて便利。

肉味噌と野菜をかけてできあがり。食べる時は全体をしっかり混ぜてどうぞ。

甘からず、辛からず、ちょうどいい味加減の肉味噌が麺にからんで箸が進みます。
老若男女、誰もが食べやすい味です。
肉味噌は作りおきしておけば、ご飯や豆腐に乗せたり、茹でた野菜や生野菜スティックなどとからめたりするのも美味しそうです。
そして、中華麺よりもかん水が入らない麺の方が味がよくなじみ、相性がいい印象がありました。ご飯にお味噌が合うのと同じような感覚でしょうか。
さらに、きゅうり、白ねぎ、枝豆が、甘辛い肉味噌の中で存在感を発揮していました!
これがあるとないでは大違いです。
堀切さんいわく、「大根やにんじんなどでもいいですし、サラダを乗せてもいいんですよ」とのこと。
知らず知らずのうちに肉や麺とともに、新鮮な野菜もたくさん食べられる健康的なメニューでもありますね。
北京のお母さんが作り続けてきた栄養バランスに富んだ家庭料理、ぜひ昼ごはんなどで気軽に取り入れてみてください。

膳處漢ぽっちり 料理長 堀切精一郎さん
広島県出身。中学生の頃、テレビ番組「料理の鉄人」で、陳健一や周富徳などの熱戦ぶりに心躍らせた。「こんなかっこいい仕事に就きたい!」と中国料理人の道を志す。調理師学校を卒業後、大阪のホテルなどを経て、2021年際コーポレーション入社。以来、同社が展開する中国料理店で経験を積み、現在は常務執行役員を務める。「膳處漢ぽっちり」の「膳處」は都の台所の意味。「素材を生かして引けるものは引く。そのうえで、贅沢なものは贅沢に。素朴なものは素朴に」。宮廷料理から家庭料理まで多彩に展開しながらも、その本質はブレることがない。
店舗情報

- 店名
- 膳處漢ぽっちり
- 電話番号
- 075-257-5766
- 住所
- 京都市中京区錦天神山町283-2
- 営業時間
- 昼 11:30〜15:00(L.O.14:00)
夜 17:00〜22:00(L.O.21:00)
- 定休日
- 無休