貴匠桜の啓蟄レシピ「ドフィノワーズ」
2021-03-16
貴匠桜の啓蟄レシピ「ドフィノワーズ」
付け合わせにもメインにも。覚えておくと重宝なじゃがいものグラタン。

ドフィノワーズは、南フランス ドフィーネ地方の伝統料理。
スライスしたじゃがいもを生クリーム・卵・チーズを合わせたソースとともに、オーブンで焼くだけという素朴な家庭料理です。
いわばじゃがいものグラタンですが、ホワイトソースを作らない点が最大の特長にして、家庭ではうれしいポイントでもあります。
今回教わった、貴匠桜の寳持隆志シェフいわく、
「材料の種類が少なく、手順もシンプルで、包丁・まな板いらず、鍋も不要です。焼くのはオーブン任せでトータル30分程度ですので、時短メニューにもなりますね」。
その手軽さに反して、できあがりはメインとしての満足感充分。ミートソースやハムなどをプラスしてもよく合います。
チーズがとろける熱々の焼き立てはもちろん、冷まして味をなじませたものもまた格別。
大きめの器で焼いて切り分けておけば、付け合わせや朝食、お弁当など多様に展開でき、重宝すること請け合いです。 春休みのランチやピクニックの一品に、いかがですか?
■材料(2人分)
じゃがいも ………………200~250g
生クリーム ………………120cc
卵黄 ………………………1個
和風顆粒だし ……………少々
粉チーズ …………………20g
シュレッドチーズ ………40g
塩 …………………………少々
こしょう …………………少々
ミートソース ……………お好みで適量
※分量は、写真の大きめのグラタン皿ひと皿程度です。
■作り方
①じゃがいもを準備
じゃがいもの皮をむいて芽を取り、薄切りにして、塩をして置いておく。
ピーラー、スライサーを使えば便利。 薄い方が食感もよく、茹でるなどの下準備も不要だが、薄すぎると枚数が増えて手間がかかるので、3mm程度の厚みが適当。

ここでのポイントは、切ったじゃがいもを水にさらさないこと。
でんぷん質が、層にしたじゃがいもの間で糊の役割を果たすため。
②オーブンを予熱
オーブンを175℃に予熱しておく。
③ソースを準備
ソースを合わせておく。
卵黄をゴムベラでつぶし、粉チーズと和風顆粒だしを合わせる。
生クリームを加えて混ぜ合わせる。

④じゃがいもを並べる
じゃがいもは水気を絞る。
水っぽくならず美味しく仕上げるポイント。
グラタン皿に少しずつ重なるように並べていく。


敷き詰めたら、お好みでミートソースなどを重ね、じゃがいも→ミートソースと繰り返していく。


⑤ソースとチーズを加える
③のソースを注ぎ入れ、具のすき間に入り込むようになじませる。
シュレッドチーズをのせる。グラタン皿の縁の方が火の通りがよく焦げ目が付きやすいので、やや多めに。中央はやや少なめに。


⑤オーブンまたはトースターで焼く
175℃のオーブンで15分から20分焼けば完成。
時間はチーズの焦げ目を見ながら加減を。

食べてみてまず印象的だったのが、じゃがいもの程よい歯ごたえです。
そこに、濃厚でまろやかな味わいのソース。
チーズと卵の力でとろっとさせるこのソースは、カルボナーラのソースにも共通するのだとか。
「じゃがいものグラタン」と聞いてイメージする、“じゃがいものホクホク感”と“ホワイトソースのもったり感”とは、ひと味もふた味も違うプロの味でした。
とはいえ、もともとは家庭料理ですから、レシピは家庭により、その時々により柔軟にアレンジできます。
生クリームと牛乳をお好みの比率で混ぜてつくるもよし。
今回はミートソースを加えていますが、ハムやベーコン、シーフード、アンチョビなどもいいですね。
ちなみに、冷凍シーフードは軽くバターでソテーしてから使うと臭みが抑えられてよいのだとか。
じゃがいもの方も、里いもや海老芋、アスパラガスやブロッコリー、アボカドなんて変わり種のアイデアもいただきました。
難しく考えずに、美味しい組み合わせをあれこれ思いめぐらせてみたいですね。

貴匠桜 料理長 寳持隆志さん
鹿児島県出身、奈良県育ち。中学時代に板前が主人公のテレビドラマを見たことがきっかけで、和食の料理人をめざし調理師学校に進む。卒業後、奈良ロイヤルホテルで洋食に出会い、技術を磨くとともに、バンケット担当として和洋中の幅広い経験も積む。ホテルで料理長を務めた後、2013年より「貴匠桜」の料理長に。五感を研ぎ澄まし、創意工夫を重ねながら、同店が掲げる「フレンチにアジア各国や和の要素を取り入れた『仏亜心料理』」を日々進化させている。
店舗情報
- 店名
- 電話番号
- 075-561-3939
- 住所
- 京都市東山区松原通大和大路2丁目轆轤町100
- 営業時間
- 昼 11:30~14:30(L.O.13:00)
夜 17:30~21:30(L.O.20:00)
- 定休日
- 不定休