Another Cの大寒レシピ「牡蠣と聖護院蕪のみぞれあん」

2021-02-02

Another Cの大寒レシピ「牡蠣と聖護院蕪のみぞれあん」

滋味豊かな聖護院蕪をみぞれあんでたっぷりと。体が温まる冬のごちそう。

聖護院蕪は江戸時代から続く、京の冬の伝統野菜。
真っ白で丸みのある堂々とした姿と、きめ細かで緻密な肉質が特長です。
千枚漬けの材料として知られるほか、かぶら蒸しなどにもよく用いられますが、
家庭では「あまり使い切れていない」という方も多いかもしれません。
今回、Another Cの富永暖シェフに紹介いただいた「牡蠣と聖護院蕪のみぞれあん」は、シンプルな手順と材料ながら、聖護院蕪の風味をしみじみと味わえるメニューです。
ほんのり甘みのある聖護院蕪の旨みが、とろみのあるみぞれあんに溶け込んで、飲むほどに体も心もほっこり。
牡蠣の旨みも合わさって、満足感が幾重にも広がりますよ。
聖護院蕪はお正月を過ぎると値段が下がり、スーパーなどでも手に入りやすくなるのだとか。主役は聖護院蕪ですので、相手役は、“出合いもん”の鯛もよし、気軽に“おあげさん”でも美味しくできます。

■材料(4人分)

牡蠣 …………………………8個
聖護院蕪 …………………1/2個
和風出汁 …………………400cc
うす口醤油 …………………少々
塩 ……………………………少々
水溶き片栗粉 ………………少々
青菜(水菜や芹など)……1/2束
黄柚子………………………少々

■作り方

①聖護院蕪の準備

聖護院蕪の皮は思い切って厚めにむき、繊維質の部分は取り除く。
皮はきんぴらやお漬物に利用できる。

おろし金ですりおろし、水気を軽く切る。
1/8切れが一人分の目安と覚えておくと分かりやすい。
余ったおろし汁は煮魚の調理に使うと美味しく仕上がる。

②青菜に火を通す

鍋に昆布とかつおで取った出汁を400cc入れ、火にかける。
白だしなどの調味料を使用しても可。
切った青菜を入れて、軽く火を通し、椀に盛る。

③出汁の準備

出汁に塩、薄口しょうゆを加えて味をととのえ、沸騰したところに水溶き片栗粉を少しずつ入れ、とろみがついたら火を止める。

④牡蠣の準備

牡蠣に小麦粉をまぶし、油を引いたフライパンで焼いて椀に盛り付けておく。
唐揚げにしてもよい。
みぞれあんが主役なので、出汁で牡蠣を煮ることはせず、旨みを閉じ込めておく。

④出汁とすりおろした聖護院蕪を合わせて仕上げ

とろみをつけた出汁にすりおろした聖護院蕪を合わせる。

椀に注ぎ、柚子の皮を添えてできあがり。

試食して驚いたのが、「聖護院蕪ってこんなに旨みがあったのか」ということ。
お酒やみりんなどに頼らない、素材の持ち味を生かしたやさしい味わいがしみじみと広がります。
そこに複雑な味の奥深さがあり、食べるような、飲むような食感ともあいまって、しっかりと満足感が残ります。
富永シェフの、「味付けを濃くしないことがポイント。飲むほどに、さらに飲みたくなって、そして温まってもらえるような料理です」とのコメントに納得です。
また、「簡単にできるシンプルなレシピであることと、『適当でいい』と横着をすることは別物なんですよ」という言葉が印象的でした。
「美味しく食べて体の芯から温まってほしい」という心遣いこそが、上手に作れる一番のポイントなのかもしれません。
まだまだ寒さの続くこの時季、甘みの増した聖護院蕪を使った冬のごちそうを作ってみませんか?

Another Cのオーナーシェフ、富永暖さん。

兵庫県生まれ、幼少期から10年間ニューヨークで過ごしたのち、日本料理人を志し京都へ。老舗料亭で京料理を学ぶ。24歳で渡米し、ニューヨーク・トライベッカの「MEGU」でExecutive Sous Chef, Head Chefとしてモダン・ジャパニーズ料理を手がける。2015年、木屋町でモダン・ジャパニーズレストラン「Another C」をオープン。一人ひとりの方に合わせてメニューをアレンジするなど、心からくつろぎ、ワクワクしていただけるお客さまが主役の料理、空間、店づくりを追求されています。




店舗情報

店名
Another C
電話番号
075-746-2438
住所
京都市中京区河原町通三条東入ル中島町96 三条木屋町ビル4F
営業時間
夜 18:00~22:00(L.O.20:00)

※ご要望にあわせて18時より早い時間からディナーのご予約をお受けいたします。
定休日
不定休